川崎殺傷事件について。

こんにちは。こころのカウンセラー、前川うづきです。梅雨期になってちょっと涼しい、寒いくらいですね。みなさん、いかがお過ごしですか?

さて川崎の、長年に渡る引きこもりの男性の殺傷事件をきっかけに、関連するような事件が続いたり、改めて8050の問題が議論されたりしていますね。

わたしの考え方は、こうです。

あの犯人は、どうも小さい頃から、ムカっとすると暴力的になるタイプのようでした。同級生の中には、彼に、鉛筆で手の甲を突き刺された人もいるとか。

そういう子を、父母ではない、叔父と叔母が面倒を見ていた。家庭の中でも、彼の暴言暴力はあったであろうことは容易に想像できます。そうなると当然、叔父叔母だって彼がl怖くなって、遠ざけたい気持ちにもなることでしょう。

犯人が持っていたお金の流れが、分からないのですけれども、とにかく叔父叔母が彼の面倒を見ていたのは確かなのですよね。

それを、「家から追い出してやれば良かったのに」と簡単に言う方もいらっしゃるのですが、そう出来たものなら、そうしていたはずなので、何かしら、そうは出来なくて、もうどうしようもない、という状況だったのだと思います。

では、どうすれば良かったのでしょう。

私の経験をお話しします。以前、私は障がい者就労支援事業所にて職業指導員ををやっていたのですが、利用者さんの中で、すぐにカッと来るタイプの青年がいました。私も2回ほど、「え? なんで今怒ったの?」と、ヒヤッとする経験をしました。

それで、対応を必死になって考えて出した答えは、「まずは褒めよう!」でした。彼は基本的に頭の良い、プライドが高い子だったので、まずは褒めて自尊心を満たしてから、高過ぎるプライドのせいで支障が起きている部分を、徐々に徐々に時間をかけて修正していこうと思ったのです。

その結果、なかなかうまく行きました。仕事の正確さ、早さ等を褒めると、ムスッとしたまま「ん!」と力強く頷いてくれたりして、可愛いなあと思ったものです。

よーし、このまま順調に行けば……とこちらも張り切っていたのですが、途中、ご家庭で何かあったのか、通所しなくなりました。立場上(パート勤務でした)ご両親に会うことも出来ず、当時の上司も、うーん、そうねえ……、といった調子で、それきりになってしまいました。

私は思います。何かとカッと来る子は、対応が本当に大変だけれども、長期戦を覚悟で、まずは自尊心を満たしてあげてから、徐々に徐々に、過大評価している部分を通常に戻していく。これしかないと思います。

こういう考えでいるので、正直、犯人の叔父叔母の対応を疑問に思いますが、どーーしようもなかったのでしょうし、長い間に何かが麻痺することもあったのだろうな、と推測しています。

とにかくカッと来るタイプの引きこもりの方には、覚悟を決めて、粘り強く、そして優しく愛を持って(同じ人間ですから)、長期戦で対応するしかないと思います。

そういったことでお困りの方はどうぞ、お近くのカウンセラーにご相談下さい。

わたしも、待っています。

最後に、被害に遭われた方のお見舞い、ご冥福をお祈りいたします。