感情を感じ切るってどういうこと?

こんにちは♪傾聴カウンセリング&ヒプノセラピー「道」前川うづきです。

ご質問をいただきました。「感情を感じ切るってどういうことですか?」

お答えします。

Aさんのご主人が、数年前に認知症を発症しました。Aさんは、ご主人をホームに入居させることも考えましたが、丸っきり人様のお世話になるのでは後悔すると思い、なるべく自分で介護をしました。

デイケアは使っていましたが、それでも四六時中認知症のご主人と一緒に過ごすのはどれだけ大変なことだったか、想像に難くありません。

ご主人が認知症になって6年目。いよいよ意識が朦朧とし、緊急入院。そのまま帰らぬ人となりました。

それから忙しく、通夜に葬式に出棺。Aさんは多少疲れた様子ではあったものの、時折孫の無邪気さに笑ったり気遣いを見せるなど、しっかりした様子でした。

一通りの儀式が済んだあと、心配になってAさんを訪ねた親戚に、Aさんは言いました、「寂しいけど、後悔が全くなくていい気分だよ」と。

Aさんはその後すぐ、趣味の園芸や三味線を再開。とっても充実した日々を過ごしました。

さあ、想像して下さい。

もしもAさんが、自分が面倒を見たいというお考えを何らかの理由で曲げ、ご主人をホームに預けてしまっていたら……やっぱり後悔が残り、ご主人亡き後、すぐに趣味を再開することは出来なかったはずです。

認知症のご主人です。日々、悪戦苦闘し、マイナス感情に翻弄されたことも数知れずあったのです。しかしAさんは、溢れ出る良からぬ感情も受け入れ、見事に介護をやり切りました。

実際の行動(介護をやり切る)が感情を感じ切るということに結びついて、Aさんは早々とご自分の人生を謳歌し始めることが出来たのだろうと思います。

以上です。

しかし感情を感じ切るということは、カウンセリングに来るくらい悩みが深い方々にとっては、かなりつらいことなのです。だって怖いから、感じないようにして自分を守ってきたんですから。

けれども、感じ切ったほうがいいわけで……ジレンマですね。こういう時は、カウンセラーと一緒にその作業に取り組みましょう。安心して取り組めると思います。

まだまだ寒いですね。カウンセリングルームで、お茶をご用意してお待ちしております。